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羊ラボ 1  ギャッベを洗ってみました。

羊の毛やその毛で作られたものがどんなに優れていて愛らしいものか、

いろいろ調べたり考えたり、たまに実験してみるシリーズ。

やや皮膚の弱い私が家で店で平穏な日々を送れるのは

そこここにある羊毛のおかげなのかもしれないな、と常々思っています。

そんな羊毛に感謝の気持ちを込めて紹介してまいります。

(”シリーズ”と書いてしまったからには時間が掛かっても複数回やらなければなりませぬ。)

初回は当店取扱商品であるギャッベのこと。

ちょうど3年前の2014年5月、旧HPに掲載していたものを少し手を加えて再掲載いたします。

長いのでお時間のあるときにどうぞご覧下さい。

こちらのミニギャッベ、もちろん今でもバリバリ現役です。

******

汚れてしまった我が家のミニギャッベ。(犯人は下をご覧ください) 本日はお洗濯にはもってこいの陽気です。 6年前に手に入れたものですが、今回は2回目の洗濯。

早速洗ってみます。

今回は普通に手に入る中性洗剤を使用、頭髪用シャンプーでも良いでしょう。

(アルカリ性の石鹸シャンプーは×。繊維の呼吸を妨げるシリコンが入っていないものを。)

洗濯液が流れても大丈夫な場所を選びます。今日の洗濯場は玄関先のタイルの上。

まずは全体を濡らします。

洗剤を手にとって泡立てながら洗います。 汚れが付いた場所は、少し指を立てながら。あとは毛の流れに沿って洗います。 (シャンプーで髪の毛を洗うイメージで。)

洗剤分を流します。毛の流れに沿って、手でしごくように。

泡が出なくなるまで、洗い流します。 流し終わったら何度も手でしごいて、出来るだけ水分を抜きます。 (水がしたたり落ちないくらいに)

軽く脱水します。最短時間(1分位)で十分です。庫内のバランスに気を付けてください。 偏ってしまうと、エラーになってしまい、止まってしまう場合がありますが、 その時は、一緒にバスタオルなどを入れて、重さが均一にかかるように工夫してみてください。

取り出します。

この時点で、かなり水分が抜けています。 (羊の毛は中心部が空洞になっていて、そこに蓄えられた水分は脱水の際の遠心力で

飛んでいきます。)

櫛で軽く梳かしておくと、乾いた後の仕上がりが綺麗になります。

でもあまり無理に毛を引っ張ったりしないでくださいね。せっかくの毛が抜けてしまいますので。

(写真のコームは犬用のもの。人間用のブラシや櫛でOKです)

おまけですが‥

我が家では仕上げのとき、ラベンダーとユーカリのオイルを水で薄めたものをさっと表面に塗っています。 油膜で表面の保護にもなりますし、虫よけにもなります。お好みでどうぞ。

しっかり乾かします。

表も

裏も

この日は湿気あまりなかったからでしょうか、3~4時間ほどで乾きました。

 左上の犬が今回の犯人。  反省は…

していない模様

最後の仕上げ。 不揃いの毛は軽くカットしてあげてください。

終了!

****** *まずは上記はギャッベが特別なものではなく、普段使いの生活用品として、身近に感じていただけること

 を目的としてご紹介しております。ですのであくまでも一例で、すべてのギャッベに当てはまるものでは

 ないことをご理解いただければと思います。(お客様におかれましては、ご自分で洗濯された際に不具合

 が生じましても責任は負いかねます。何卒ご理解下さいませ。)

 ほとんどのギャッベは論理上はご家庭で洗えますが、実際はサイズによって難しいものもあります。  玄関マットよりも大きいものは、水分を含んでかなり重たくなりますので、複数の人数で持ち上げなけれ

 ばならなくなる場合もありますので、洗ったり乾かしたりできる広い場所が確保出来る場合は挑戦してみ

 て下さい。(ちなみに、乾燥した気候のイランは、大きなサイズのものなどはデッキブラシのようなもの

 でゴシゴシ洗って、岩や日干しレンガの上などに干せば「あっ」というまに乾いてしまうのだそうです

 が、湿気のある日本ではなかなか難しいですね‥。)

 また、織りの具合によっては、縮んだりする恐れもあったり、濃い色の染めは若干色落ちする場合が

 あります。 逆に生成りのものは色落ちの心配はありません。(地毛ですから当たり前ですね)  ギャッベは本来は遊牧民が地面の上に敷いて使う、かなりカジュアルなものですので、サイズの変化や

 色落ちに彼らは無頓着です。私どもの扱うギャッベは彼らの生活スタイルに敬意を払いつつ、「日本の

 暮らしに実用的であるもの」を念頭に厳選に厳選を重ねて輸入されていますが、「何としても買った時

 のままの状態を保ちたい」、「色落ちが心配」、「自分で洗うのは面倒」という方は専門の業者に頼ん

 だ方が良いでしょう。(当店でもクリーニングを承っております。)

 元来ウールは汚れがつきにくい素材です。無理して洗うこともなく、部分的な汚れでしたらシミ抜きで

 対処したほうが良い場合が多々有ります。 迷った場合はどうぞご相談くださいませ。

 それにしても、太陽の下でギャッベを洗っていると

 その手触りや微かに甘い羊の毛のにおいにゆったりとした気持ちになります。  毛並みに沿って手を動かしていると、生きている動物を撫でているような温かみが湧き上がってきます。  そして、乾いた後のふっくらとした感触。

 羊ならではのしっとりとした温かみが心に染み入るのでしょうか。

 余談ですが、ギャッベを洗った後は犬もついでにシャンプーしました。 (さすがにアクロンでは洗って

 いません笑。)

 自然がもたらす恵みを体と心で楽しめた一日でした。

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