静かに満開
世田谷では曇りがちな天気が続いています。
そんなしっとりした空気の中、桜が満開を迎えています。 モクレンやハナミズキの花も近所の庭先で見ることができて、 普段歩いている道に花の咲く木があるという幸せをじんわり感じています。
草に咲く花だと殆ど自分の視線を落とすことになるのですが、
木に咲く花は見上げることになるので自然と顔が上がるんですね。
その動作だけで、気持ちがしっかりしてきそうです。
この数日は太陽光が殆ど届かないせいか、春特有のうきうき感はないのですが、
私などはむしろその方が落ち着いて花を楽しめるかな。
人間の都合で花が咲いているわけではない、たまたま満開のタイミングにそこにいた、
ということにありがたみを感じています。
とはいっても、一年の中で今しかないこの季節を楽しみたい気持ちもあって。 普段は家にピンク色のものは殆どないのですが、今日からしばらくの間は イラン西部の町、セネのキリムを壁に掛けてみようと思います。 セネは今はサナンダジと呼ばれているクルド人の町で、バラの花で有名なところです。 こちらも前面にバラの花のモチーフが織り込まれています。
日本の外に目を向ければ、隣国トルコやイラクのクルド人の独立問題などのニュースもありますが、
地球のどこにいっても日々の暮らしのそばに(きっと)花はあるのだろうと思うと、何やらそんなところに少しの救いがある気がしています。
それが実際に咲いていなくても心の中にあるだけで‥。