サイズ(縦×横):約187cm×55cm
素 材 :羊毛100%
カラー :ミックス
取り扱い方法:別ページの『キリムのお手入れ方法』をご覧下さい。
キリム・ロングサイズ (品番/17305)
アゼルバイジャンと国を接したカスピ海にもほど近い北イランの広大なモーガン高原を移動するシャーサバンと呼ぶ遊牧民が織ったスマック織りのキリム。シャーサバンはシャー(王)に仕えるものという意味で、中世の頃には遊牧生活の傍、傭兵としての役割も担っていたようです。 この地域は湿潤で穏やかな気候と肥沃な土地を持ちつつ、高い所では7000mにも及ぶ高低差のある地形であることから、イランの中でも特に生き物の宝庫のような存在で、農業や畜産もとても盛ん。そんな地域に住む彼らは時には雲よりも高い土地で暮らすこともあり、「天空のひと」とも呼ばれています。宇宙的な不思議な図柄と身近な生き物のモチーフの組み合わせからなるキリムの所以はそんなところからくるのでしょうか。
楽園を表す花のモチーフが表された3つのボーダーに囲まれた数々のモチーフ。かなり抽象化したものが多いので様々な解釈が可能ですが、権力を表す鳥の頭、魔よけの蟹などが見てとれます。落ち着きのある少しくすんだ赤をベースとし、それぞれのモチーフのほんのりとした色合いとかっちりとしたラインは柔らかな感性と生真面目さが程よいバランスを保っています。弾力のあるウールを使った緻密な織りは毛羽立ちもなく少し厚みを感じ、滑らかな糸の繋がりは一枚のデザイン画のようです。
*スマック織とは…スマックという言葉はコーカサス地方が語源だとされ、コーカサス地方の南端に接しているダシュテモガンは、主要な産地のひとつです。スマック織は平織りの経糸(たていと)に別の色糸を斜めに巻きつけながらモチーフを織り込む技法で、高い技術と手間を要します。丈夫でやや厚みをもった表地はつづれ織りのようなスリットはなく均一です。複雑に民族が絡み合う地方の流れを汲む、抽象的でユニークなモチーフで構成されていることが多く、西欧諸国のコレクターからも高い評価を得ています。
*商品写真につきましては、できるだけ実物に忠実に掲載するよう心がけておりますが、PC環境や撮影状況によってはお客様が実際手にとられたものとイメージが違う事がございます。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。(画像をクリックすると、拡大できます。)*キリムについての詳しいご案内も御覧ください。